唐澤経営コンサルティング事務所代表の唐澤です。
中小企業診断士・ITストラテジストの資格を持ち、20年以上にわたり、中堅中小企業の経営戦略立案や業務改革、IT化構想策定のコンサルティングに従事してきました。
このコラムでは、私のコンサルティング経験をもとに、中堅中小企業の経営に役立つ情報を発信しています。
現代の経営環境は非常に厳しく、多くの経営者が資金繰りや業績プレッシャー、将来の不確実性などに日々向き合っています。その結果、知らず知らずのうちに心身の健康を損なうリスクを抱えている方も少なくありません。
経営者のメンタルヘルスは、単なる個人の問題にとどまらず、企業全体の生産性や競争力に直結する重要な要素です。
私たち唐澤経営コンサルティング事務所では、「コーチング」と「コンサルティング」を通じて、経営者のメンタルヘルスケアを支援し、心身ともに健全な状態で企業を導けるようサポートしています。
本記事では、経営者のメンタルヘルスケアの重要性や具体的な実践方法を解説します。
心の健康を守りながら、企業を持続的に成長させるためのヒントとしてお役立てください。
メンタルヘルスケアの重要性
経営者にとってのメンタルヘルス

経営者にとって、メンタルヘルスケアは非常に重要です。
日々の意思決定や責任の重圧、不確実な経済環境などが、心理的なストレスを引き起こす要因となります。
経営者のメンタルヘルスが悪化すると、以下のような影響が出る可能性があります。
- 判断力や創造性の低下
- モチベーションの減退
- 従業員との関係性の悪化
- 身体的な健康問題の発生
株式会社Awarefyが実施した調査によると、約5割の経営者が「心の不調」による症状を感じた経験があり、6割以上が「心の不調」により眠れなくなった経験があると回答しています。

(株式会社Awarefyプレスリリースより抜粋)
このような状況下で、自身の心の健康を維持することは、企業の持続的な成長と発展のために不可欠です。
メンタルヘルスケアが企業にもたらす効果
経営者が自らのメンタルヘルスに取り組むことで、企業全体にもポジティブな波及効果が期待できます。
- リーダーシップの向上
ストレスをコントロールでき、冷静な判断とポジティブな姿勢を保つことで、より強力なリーダーシップを発揮できる - 組織文化の改善
経営者がメンタルヘルスに目を向けることで、従業員の健康や働きやすい環境にも関心が高まり、職場のコミュニケーションやモチベーションが向上 - 生産性の向上
健康な状態で経営に臨むことで意思決定スピードが上がり、組織全体の効率もアップ
厚生労働省が示す「労働者の心の健康の保持増進のための指針」でも、メンタルヘルスケアの重要性が強調されており、企業が積極的に取り組むべき課題となっています。
メンタルヘルスケアの現状と課題
日本ではメンタルヘルスケアへの意識が高まりつつありますが、以下の課題が依然として存在します。
- 認識の不足:メンタルヘルスの重要性を十分理解していない経営者がいる
- 時間の制約:多忙な経営者は自己ケアに時間を割きにくい
- 社会的な偏見:心の不調を開示しにくい風潮がまだ根強い
これらの課題を乗り越え、効果的なメンタルヘルスケアを実践することが、今後の経営者にとって大きなテーマとなっています。ます。
実践的なメンタルヘルスケアの方法

セルフケアの実践法
まずは、経営者自身が日常で実践できるケア方法から始めましょう。
- マインドフルネス瞑想
1日10分の瞑想を習慣化。ストレス軽減や集中力向上が期待でき、アプリを利用すると気軽に始められます。 - 適度な運動
週3回・30分ほどの有酸素運動を日常に取り入れる。ジムに通う時間がなくても、通勤時に歩く、階段を使うなどで代用可能。 - 質の高い睡眠
就寝1時間前はスマホやPCを控え、寝室の照明や温度を整え、睡眠の質を上げる。 - ストレス解消法の確立
趣味や家族との時間、読書など、自分なりのリラックス方法を定期的に楽しむ。
組織としてのサポート体制
経営者一人で抱え込まず、組織全体としてサポートする仕組みを築くことも重要です。
- オープンなコミュニケーション文化
定期的な会議やランチミーティングなど、悩みを共有できる機会を作る。 - 信頼できる相談相手の確保
外部の顧問やメンターを導入し、客観的なアドバイスを得る。 - ワークライフバランス推進
経営者自身が率先して休暇を取得するなど、従業員にもライフワークバランスを重視した文化を浸透させる。
外部リソースの活用
専門家や外部サービスを利用することで、より効果的なメンタルヘルスケアが可能になります。
- カウンセリングサービス
- 定期的に専門家へ相談し、自分の状態を客観視して適切な対処を学ぶ。
- 経営者向けコーチング
- ビジネスとメンタルヘルスを総合的にサポートするプログラムを利用。
- 健康経営の導入
- 経済産業省が推進する「健康経営」を取り入れ、従業員の健康とともに経営者のメンタルケアも重視。
私の体験談

私の顧問先である50代の中小企業の社長様は、新型コロナウイルスの影響で業績が急激に悪化し、深刻なストレス状態に陥っていました。
Web会議で定期的に打合せはしていたのですが、その方の表情には疲労と不安が色濃く表れていました。
売上の激減に加えて資金繰りの悪化、従業員の雇用維持など、様々な課題が重なり、心身ともに限界に近い状態でした。
そこで私は、以下のような取り組みを行いました。
- 定期的なコーチングセッションの実施:週1回、オンラインで1時間のセッションを設け、経営課題とメンタルヘルスの両面からサポートしました。
- ストレス軽減のための具体的な行動計画の策定:毎日15分の瞑想や、週3回の軽い運動など、忙しい中でも実行できる計画を一緒に立てました。
- 経営戦略の見直しと新規事業の検討:「ピンチはチャンスである」ということをお伝えし、コロナ禍での事業機会を探りながら、収益体質の強化やデジタル技術を活用したサービスの強化策の検討など、新たな収益源の創出に取り組み、アフターコロナに備えました。
これらの取り組みを続けた結果、社長の表情が徐々に明るくなり、前向きな姿勢で経営に臨めるようになったのです。
さらに、マーケティング戦略の見直しにより、全社の収益力が向上した上、デジタル技術を活用したサービス提供により生産性が向上し、2023年から業績がV字回復しました。
最も印象的だったのは、社長さんから「唐澤さんのコーチングのおかげで、困難を乗り越える自信がつきました」というお言葉をいただいたことです。
この経験から、経営者の方々へのメンタル面でのサポートが、企業の成長においていかに重要かを改めて実感するとともに、その効果の大きさを感じました。
私の経営顧問サービスでは、単なるコンサルティングにとどまらず、経営者の方々の心の健康にも焦点を当てています。
なぜならば、健全な心があってこそ、経営者は適切な判断と行動が可能になると考えているからです。
みなさまも、経営の課題やストレスで悩んでいらっしゃいませんか?
私たちのサービスを通じて、経営とメンタルヘルスの両面から、みなさまの成功をサポートさせていただきます。
一人で抱え込まず、ぜひ専門家のサポートを検討してみてください。
Q&A
Q1: メンタルヘルスケアに時間を割くことで、業務に支障が出ないでしょうか?
A: むしろ、メンタルヘルスケアに時間を割くことで、心身が健康になり、判断力や創造性が高まって結果的に生産性が向上します。
特に経営者のメンタルの影響は、会社の経営や業績に大きな影響を与えますので、その効果は大きなものとなります。
Q2: 従業員にメンタルヘルスの問題を相談しても良いのでしょうか?
A: 経営者という立場上、一般的には従業員に相談することは推奨いたしません。理由は、従業員との関係性のバランスが崩れる可能性があるからです。
メンタルヘルスの専門家や顧問など、第三者の専門家・アドバイザーに相談することが望ましいと考えます。
まとめ
経営者のメンタルヘルスケアは、個人の健康保持だけでなく、企業を持続的に成長させるための重要な投資です。以下のポイントを押さえて、今日から少しずつ取り組んでみましょう。
- セルフケアの徹底: 瞑想や運動、睡眠など、日常生活で実践可能な方法を選ぶ
- 組織全体のサポート体制: オープンなコミュニケーションやワークライフバランスを推進
- 外部リソースの活用: カウンセリング、コーチング、健康経営など専門家の力を借りる
- 客観的な視点を得る: 信頼できる顧問やメンターがいると経営判断がスムーズ
心の健康に投資することは、企業価値向上にも直結します。メンタルヘルスの専門家やコンサルタントに助けを求めることで、一人で抱え込まず、より健全な経営を実現できるはずです。
経営に伴うストレスやメンタルヘルスケアに関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。唐澤経営コンサルティング事務所では、「コーチング」と「コンサルティング」を組み合わせたアプローチで、経営者の心の健康と企業の持続的成長を両面からサポートいたします。
お問い合わせや無料相談は、以下のフォームからお願いいたします。

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