唐澤 智哉 唐澤経営コンサルティング事務所代表の唐澤です。
中小企業診断士・ITストラテジストの資格を持ち、20年以上にわたり、中堅中小企業の経営戦略立案や業務改革、IT化構想策定のコンサルティングに従事してきました。
このコラムでは、私のコンサルティング経験をもとに、中堅中小企業の経営に役立つ情報を発信しています。
私は約20年にわたり、中小企業の経営者と二人三脚で様々な課題に挑んできました
時代は「VUCA（先行き不透明）」と呼ばれるほど予測が難しく、単なる知識や過去の成功モデルに頼るだけでは乗り越えられない局面が増えています。そして現在、中小企業から真に求められているのは、経営者と並走し、深く入り込み、上から目線ではなく「共に考える」パートナーとしてのコンサルタントだと私は考えています。
しかし、世の中には様々なコンサルタントが存在し、何を基準に選べば良いのか分からない方も多いでしょう。
本記事では、中小企業がコンサルタントを選ぶ際に押さえるべきポイントを、わかりやすく整理します。あわせて、当事務所が重視する、組織や人材を伸ばすコーチング・研修など、戦略立案だけでない総合的な関わり方もご紹介します。
あなたが真に頼れるコンサルタントを見極める参考にしてみてください。
ポイント１：上から「教える」のでなく、一緒に考え抜けるコンサルか？
多くのコンサルタントが「知識」や「専門性」を武器にしていますが、VUCA時代にはそれだけで十分とはいえません。
大切なのは、経営者が抱える悩みや混乱を一緒に整理し、未知の問題にも対応できる「考える力」をクライアントと共に育むことです。
仮にコンサルタントが正解を知っていたとしても、すぐにそれを教えるのではなく、あえて「なぜそう思うのか？」と問いかけ、経営者自身が気づくプロセスを大切にします。
このように、上下関係ではなく対等な関係で「共創」することにより、経営者の中に「自分で問題を解決する思考力」が根付きます。
ポイントは以下の3点です。
- 難しい専門用語ばかり並べるのではなく、わかりやすい言葉で対話するか？
- 「これが答えです」と押しつけず、質問を重ね、あなたの考えを引き出してくれるか？
- 経営者や社員に対して、経営環境やアイデアを噛み砕いて説明し、本質を伝えてくれるか？
ポイント２：自社の内側に入り込み、実態に即した改善を図れるか？
部屋にこもって作る完璧な資料より、現場を見て社員の声を聴く行動力が、コンサルタントには求められます。
経営者との打ち合わせだけでなく、必要なら現場に足を運び、商品・サービスがどのように生み出され、顧客とどう接しているかを肌で感じることで、表面的ではない課題の本質が見えてきます。
当事務所は特定の業界知識に固執せず、どのような事業にも応用できる「考えるフレーム」を重視しています。これにより、業界特有の慣習や先入観を超えた新たな打ち手を一緒に発想できます。
また、単にクライアント企業の欠点ばかりをピックアップするだけでなく、その企業が持つ隠れた強みを見つけ、そこを伸ばす戦略を共に練ることも重要です。
ポイントは以下の3点です。
- コンサルタントが現場にも足を運ぶなど、軽いフットワークを持っているか？
- 組織の雰囲気や人材の特性を理解し、経営者と社員双方の話に丁寧に耳を傾けるか？
- クライアントの弱みばかりに目を向けるのでなく、「この部分は活かせる」と強みを見出してくれるか？
ポイント３：時間を有効に使い、ズレを正し、根本問題に迫る力があるか？
コンサルタントを活用する最大のメリットの一つは、経営者が遠回りをせず、早めに本質的な課題にフォーカスできる点です。外部の視点が入れば、社内では当たり前と思っている前提や仕組みを根本から見直すきっかけになります。これにより、市場変化に素早く対応でき、潜在的なチャンスを逃しにくくなるのです。
さらに、コンサルタントが経営者にとって「外部の目」となれば、これまで踏み出せなかった思い切った決断もしやすくなります。社内の利害関係とは無縁の外部パートナーが提案を後押ししてくれることで、社内だけではためらっていた改革を実行する勇気が出ることも少なくありません。
ポイントは以下の3点です。
- 遠回りを減らし、時間を有効活用できるよう、問題点を素早く特定する能力があるか？
- 社内では気づけなかった「ズレ」や「思い込み」を指摘し、本質的なテーマへとアプローチできるか？
- 経営者の背中を押し、大胆な意思決定をサポートする「外からの刺激」となれるか？
ポイント４：戦略や構想にとどまらず、人と組織の成長まで支援できるか？
どんなによい戦略を立てても、それを実行するのは「人」です。
現場レベルでの動きが伴わなければ、計画は絵に描いた餅に終わってしまいます。
そのため、コンサルタントには、社員一人ひとりが新しい戦略を理解し、自分ごととして動けるようにする「育成力」が求められます。
当事務所は、戦略・構想立案はもちろんのこと、実行段階では経営者・社員向けのコーチングや研修も絡めながら、組織全体が変化を受け入れ、前へ進む力を養います。これは、経営者と社員が共通言語を持ち、同じ目標に向かって進むための基礎づくりとなります。
ポイントは以下の3点です。
- 単に「これをやってください」と戦略を指示するのでなく、社員が納得し、自ら動く環境をつくる支援があるか？
- コーチングや研修などを通じて、人材育成やチーム力の強化も視野に入れているか？
- 組織文化やコミュニケーションの課題にまで踏み込み、長期的な成長基盤を整えるサポートが可能か？
ポイント５：経営者との相性や価値観が合い、腹を割って話せるパートナーか？
コンサルタントの能力がどれだけ高くても、経営者との人間的な相性が悪ければ十分な成果は出ません。お互いに腹を割って話せる関係性があるからこそ、経営者は不安や疑問を正直に相談でき、コンサルタント側も的確なフィードバックを返せます。
当事務所は、支援するお客様の数を敢えて制限し、個々のクライアント企業に十分な時間とエネルギーを注ぎ込めるようにしています。こうした深い関係性は、単なるビジネスパートナーを超え、コンサルタントと社内メンバーのような信頼関係を築きやすくします。
ポイントは以下の3点です。
- 初回の相談や打ち合わせで「この人なら本音を言える」と感じられるか？
- コンサルタントが偉ぶらず、謙虚に学ぶ姿勢を持ち、「教えてもらう」スタンスを示してくれるか？
- 経営者の価値観や悩みに真摯に耳を傾け、否定でなく理解から入る態度があるか？
まとめ
信頼できるコンサルタントを見つけるためのポイントは以下の５点です。
- 一緒に考え抜く姿勢：上から押しつけず、わかりやすい対話で経営者自身の思考力を引き出す。
- 現場をよく知る行動力：足を運び、人に会い、強みを引き出すことで現実的な戦略を立案する。
- 時間とズレの改善、問題の本質化：遠回りを減らし、意思決定をスムーズにして真の問題解決を促す。
- 組織・人材育成まで手が届く支援：コーチングや研修を通じ、人が動き出す仕組みをつくる。
- 人間的な相性と信頼関係：教えられるのでなく共に考える、対等なパートナーとして腹を割って話せる。
最後に
時代が変化すれば、求められるコンサルタント像も変わります。
すでにある知識を押しつけるだけでなく、経営者と共に考え抜き、問題を発見し、自社の強みを活かしながら前進する“共創型”のパートナーが、これからの中小企業には必要だと考えています。
唐澤経営コンサルティング事務所は、単に戦略を提示するだけでなく、経営者の懐に入り込むコミュニケーション、組織の可能性を引き出すコーチング・研修、そしてわかりやすい言葉で現実に即した支援を行います。
「自分たちで気づいた」「自分たちで進んだ」という実感を共有しながら、一歩ずつ未来へ前進するパートナーをお探しなら、ぜひ一度ご相談ください。
あなたのビジネスにとって、必要な視点や決断を共に育む存在になれるはずです。
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