
唐澤経営コンサルティング事務所代表の唐澤です。
中小企業診断士・ITストラテジストの資格を持ち、20年以上にわたり、中堅中小企業の経営戦略立案や業務改革、IT化構想策定のコンサルティングに従事してきました。
このコラムでは、私のコンサルティング経験をもとに、中堅中小企業の経営に役立つ情報を発信しています。
ものづくり補助金の2025年実施に向けて、中小企業庁はものづくり補助金の概要資料を公表しました。
本記事では公表された資料(概要資料とチラシ)を抜粋しながら、速報で一足早くお知らせします。
なお、本記事はあくまで2024年12月16日現在の公開されている情報を元にした内容となります。今後新たに出てくる情報次第では、大きく変わる可能性がありますので、ご注意ください。
ものづくり補助金とは?
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)」は、中小企業・小規模事業者等の生産性向上や持続的な賃上げに向けた新製品・新サービスの開発に必要な設備投資等を支援する補助金です。
応募枠と補助上限額・補助率

- 応募枠
「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つの応募枠が用意されています。
各応募枠の具体的な事業の例は、以下の通りです。- 製品・サービス高付加価値化枠:最新複合加工機を導入し、これまではできなかった精密加工が可能になり、より付加価値の高い新製品を開発
- グローバル枠:海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入し新製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展
- 補助上限・補助率
補助上限額は750万円から4,000万円、補助率は1/2~2/3となっており、補助事業の内容や企業規模により補助率・補助上限額が異なります。
変更点としては、応募枠が2枠に減少したこと(前回は3枠4類型)、もう1つは収益納付を求めなくなったことです。
収益納付とは、補助事業で一定の利益(収益から経費等を引いた額)が出た場合に、交付された補助金額の一部または全額を国に返納していく制度のことです。
基本要件

以下の基本要件を全て満たす3~5年の事業計画に取り組むことが求められます。
※最低賃金引上げ特例適用事業者は、①、②、④のみ
①付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加
こちらは前回から変更はありません。付加価値額は、営業利益、人件費、減価償却費の合計なので、付加価値額要件を満たすには、それらを高める事業計画が必要となります。
②1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上 又は給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加
ここは変更になっています。前回の要件は、「事業計画期間において、給与支給総額を年平均成長率1.5%以上増加させること」でしたが、今回は上記要件のいずれかを満たすことが必要となります。前者の要件は、該当地域の最低賃金上昇幅が大きければ大きいほどクリアが難しくなります。後者の要件は、前回が年平均成長率+1.5%であり、0.5%のアップとなっています。いずれにしても、賃上げが可能な事業計画を作成することが求められます。
③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準
前回の要件「事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とすること。」と同様のもので、変更なしと思われます。
④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ)
前回までは、従業員数100人以下の事業者について一般事業主行動計画は加点要件でした。しかし、今回からは従業員21名上の場合は必須となりますので、注意が必要です。
一般事業主行動計画の詳細は、厚生労働省のサイトをご確認ください。
基本要件に加えて以下の要件を満たすと、補助上限額の上乗せ・補助率の引き上げされます。

補助対象経費
- 共通
機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 - グローバル枠のみ
海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費
事業の流れ

大きな事業の流れは上の通りで、前回までと変わらないものと思われます。
主なポイントを以下に記載します。
- 補助金は申請したらすべての会社がもらえるわけではなく、審査を通じて採択される必要があります。なお、前回(第18次)の採択率は35.8%でした。
- 提出した事業計画書を基に審査が行われて採択者が決定しますので、事業計画書の作成が必要となります。
- 補助金は原則清算払いとなりますので、採択されたからといってすぐに補助金が入金されるわけではありません。事業計画に則って補助事業を遂行し、事業に必要な支払いをすべて完了して必要な報告を行った後で、補助金は入金されます。
- 申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。取得未了の方は、あらかじめGビズIDプライムアカウント取得手続きを行ってください。
今後詳細な要件やスケジュール等が公表され次第、本コラムでも情報発信していきます。
当事務所は認定経営革新等支援機関として、補助金申請サポートを行っています。
まずは下記の「補助金申請支援に関する当事務所の方針」をご一読の上、方針にご共感いただける場合のみご相談ください。
また、補助金申請サポートのサービス資料をご用意しています。サービス内容や料金にして詳しく知りたい方は、下記のページより資料をダウンロードいただけます。
お問い合わせや無料相談は、以下のフォームからお願いいたします。


経営者が抱える経営課題に関する
分からないこと、困っていること、まずはお気軽にご相談ください。
ご相談・ご質問・ご意見・事業提携・取材なども承ります。
初回のご相談は1時間無料です。
LINE・メールフォームはお好みの方でどうぞ(24時間受付中)