唐澤経営コンサルティング事務所代表の唐澤です。
中小企業診断士・ITストラテジストの資格を持ち、20年以上にわたり、中堅中小企業の経営戦略立案や業務改革、IT化構想策定のコンサルティングに従事してきました。

このコラムでは、私のコンサルティング経験をもとに、中堅中小企業の経営に役立つ情報を発信しています。

事業承継・M&A補助金の2025年実施に向けて、中小企業庁はチラシを公表しました。

本記事では公表されたチラシを抜粋しながら、速報で一足早くお知らせします。

なお、本記事はあくまで2024年12月17日現在の公開されている情報を元にした内容となります。今後新たに出てくる情報次第では、大きく変わる可能性がありますので、ご注意ください。

事業承継・M&A補助金とは?

「事業承継・M&A補助金」は、中小企業の生産性向上、持続的な賃上げに向けて、事業承継に際しての設備投資や、M&A・PMIの専門家活用費用等を支援する補助金です。

支援枠の概要

  • 事業承継促進枠
    • 概要:5年以内に事業承継を予定している場合の設備投資等に係る費用を補助
    • 要件:5年以内に親族内承継又は従業員承継を予定している者
    • 補助上限:800~1,000万円
      ※一定の賃上げを実施する場合、補助上限を1,000万円に引き上げ
    • 補助率:1/2・2/3
      ※中小企業者等のうち、小規模事業者に該当する場合:2/3
    • 対象経費:設備費、産業財産権等関連経費、謝金、旅費、外注費、委託費 等
  • 専門家活用枠
    • 概要:M&A時の専門家活用に係る費用(フィナンシャル・アドバイザー(FA)や仲介に係る費用、表明保証保険料等)を補助
      ※FA・仲介費用については、「M&A支援機関登録制度」に登録されたFA・仲介業者による支援に係る費用のみ補助対象
    • 要件:補助事業期間に経営資源を譲り渡す、又は譲り受ける者
    • 補助上限:
      • 買い手支援類型:600~800万円※1、2,000万円※2
      • 売り手支援類型:600~800万円※1
        ※1:800万円を上限に、DD費用の申請する場合200万円を加算
        ※2:100億企業要件を満たす場合
    • 補助率:
      • 買手支援類型: 1/3・1/2、2/3※1
      • 売手支援類型: 1/2・2/3※2
        ※1:100億企業要件を満たす場合:1,000万円以下の部分は1/2、1,000万円超の部分は1/3
        ※2 ①赤字、②営業利益率の低下(物価高影響等)のいずれかに該当する場合
    • 対象経費: 謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料
  • PMI推進枠
    • 概要:M&A後の経営統合(PMI)に係る費用(専門家費用、設備投資等)を補助
    • 要件:M&Aに伴い経営資源を譲り受ける予定の中小企業等に係るPMIの取り組みを行う者
    • 補助上限:PMI専門家活用類型:150万円 事業統合投資類型:800~1,000万円
      ※一定の賃上げを実施する場合、補助上限を1,000万円に引き上げ
    • 補助率:PMI専門家活用類型: 1/2 事業統合投資類型: 1/2・2/3
      ※中小企業者等のうち、小規模事業者に該当する場合:2/3
    • 対象経費:設備費、外注費、委託費 等
  • 廃業・再チャレンジ枠
    • 概要: 事業承継・M&Aに伴う廃業等に係る費用(原状回復費・在庫処分費等)を補助
      ※廃業・再チャレンジ枠は、事業承継促進枠・専門家活用枠・事業統合投資類型と併用可能
    • 要件: 事業承継やM&Aの検討・実施等に伴って廃業等を行う者
    • 補助上限:150万円※
      ※事業承継促進枠、専門家活用枠、事業統合投資類型と併用申請する場合は、それぞれの補助上限に加算
    • 補助率:1/2・2/3※
      ※事業承継促進枠、専門家活用枠、事業統合投資類型と併用申請する場合は、各事業における事業費の補助率に従う
    • 対象経費:廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リースの解約費、移転・移設費用(併用申請の場合のみ)

事業の流れ

大きな事業の流れは上の通りで、前回までと変わらないものと思われます。

主なポイントを以下に記載します。

  • 補助金は、申請したらすべての会社がもらえるわけではなく、審査を通じて採択される必要があります。なお、本補助金の前身である事業承継・引継ぎ補助金の前回(9次公募)の採択率は61.1%でした。
  • 提出した事業計画を記載した交付申請書を基に審査が行われて採択者が決定しますので、交付申請書の作成が必要となります。
  • 補助金は原則清算払となりますので、採択されたからといってすぐに補助金が入金されるわけではありません。事業計画に則って補助事業を遂行し、事業に必要な支払いをすべて完了して必要な報告を行った後で、補助金は入金されます。
  • 申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。取得未了の方は、あらかじめGビズIDプライムアカウント取得手続きを行ってください。

今後詳細な要件やスケジュール等が公表され次第、本コラムでも情報発信していきます。

当事務所は認定経営革新等支援機関として、補助金申請サポートを行っています。
まずは下記の「補助金申請支援に関する当事務所の方針」をご一読の上、方針にご共感いただける場合のみご相談ください。

また、補助金申請サポートのサービス資料をご用意しています。サービス内容や料金にして詳しく知りたい方は、下記のページより資料をダウンロードいただけます。

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この記事を書いた人

唐澤 智哉

新卒で大手金融系シンクタンクに入社し、大手企業向けのITコンサルティングに従事。その後、2社のコンサルティングファームにて、大手企業向けの業務改革・ITコンサルティングに従事。
2012年に大手IT企業に入社し、中小企業向けのコンサルティング事業の立ち上げの中心メンバーとして事業化までを経験し、10年間中小企業向けの経営コンサルティング・ITコンサルティングや研修・セミナーに従事。
その後、2022年に唐澤経営コンサルティング事務所を創業。中小企業向けの経営コンサルティング、DXコンサルティング、研修・セミナー等のサービスを提供している。
趣味は読書で、年間200冊近くの本を読む。