唐澤経営コンサルティング事務所代表の唐澤です。
中小企業診断士・ITストラテジストの資格を持ち、20年以上にわたり、中堅中小企業の経営戦略立案や業務改革、IT化構想策定のコンサルティングに従事してきました。
このコラムでは、私のコンサルティング経験をもとに、中堅中小企業の経営に役立つ情報を発信しています。
経営者にとって、自らのビジョンや想いを形にし、持続的な成長を実現することは重要なテーマです。
しかし、それを実現するためには、単なる理想や目標ではなく、「数字」という客観的な指標に落とし込むことが不可欠 です。数字があることで、事業の実現可能性を明確に示すことができ、投資家や従業員、取引先といったステークホルダーからの理解と信頼を得る基盤にもなります。
とはいえ、ビジョンを数字に落とし込む過程でつまずく経営者は少なくありません。
「どこから手をつけるべきか分からない」「具体的な計画に落とし込めない」といった悩みを抱える方も多いでしょう。
私たち唐澤経営コンサルティング事務所では、「コーチング」と「コンサルティング」を融合させたアプローチを通じて、経営者が持つビジョンを具体的な数字へと変え、説得力のある事業計画を作り上げるサポートを行っています。
本記事では、ビジョンを数字に落とし込み、経営の実行力を高めるためのステップ を詳しく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、ビジョンを確実に実現するためのヒントをつかんでください。
経営者の想いを数字に変える4つのステップ

ステップ1:ビジョンを明確にする
まずは、あなたのビジョンをはっきり言語化しましょう。
- どんな未来を想像しているのか
- 何を目指し、何を実現したいのか
この段階では、具体的な数値目標を設定する必要はありません。あなたが持つ情熱や理想を、しっかりとイメージ化することが大切です。
ビジョンについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
ステップ2:事業内容を具体化する
次に、ビジョンを達成するための事業内容を詳細に落とし込みます。
- 誰に(ターゲット顧客)
- 何を(製品・サービス)
- どのように(技術・ノウハウ・提供方法)
これらを明確にすることで、具体的な売上やコストの試算が可能になります。まずはシンプルに「顧客ニーズと提供価値」を整理するところから始めましょう。
このプロセスでは、「コーチング」の手法を用いて経営者の思考を深掘りし、隠れたアイデアを引き出すことが効果的です。
ステップ3:数字で表現するための基礎知識を身につける
経営を数字で語るには、最低限の財務や会計の知識が欠かせません。
- 売上予測
- コスト分析
- 損益計画・キャッシュフロー計画
など、事業計画書に必須となる項目の考え方を押さえておくと、「実現可能性の高い数字」を組み立てられるようになります。初心者の方や不安がある方は、専門家やコンサルタントに相談してみると良いでしょう。
ステップ4:数字に基づくストーリーを構築する
最後は、「想い」と「数字」を組み合わせてストーリーを作り上げます。
- なぜその数字なのか
- どのようなプロセスで達成するのか
単なる数値の羅列ではなく、数字から導かれるシナリオを描くことで、事業計画書に説得力が生まれます。投資家や金融機関といった第三者にも、ビジョンと経営戦略のつながりを理解してもらいやすくなります。
当事務所では、このプロセスでは「コンサルティング」を活用し、具体的な行動計画に落とし込むサポートを行っています。
説得力ある事業計画に欠かせない3つの要素

市場分析と競合調査
まずはターゲット市場の規模、成長性、トレンドを把握し、自社がどのように価値を提供できるかを明確にします。また、競合他社の強み・弱みを分析し、自社の差別化ポイントを示すことが重要です。
財務計画とリスク管理
- 売上予測、利益計画、資金繰りなどの数値を具体的に設定
- 事前にリスクシナリオを想定し、回避策やバックアッププランを検討
これにより、計画の実行可能性と信頼性を大幅に向上させることができます。
実行可能なアクションプラン
「ビジョンをどう実現するか?」を具体的な行動レベルまで落とし込みます。
- マーケティング戦略
- 販売チャネルの開拓
- 組織編成や必要人材の確保
このようなプランを明確にすることで、経営陣や従業員が同じ方向に進むためのガイドとなります。
当事務所では、経営者自身が実行可能なステップを描けるようにコーチングを活用しています。
私の体験談

私が経営コンサルタントとして関わったある中小企業の事例を紹介します。
この企業は、既存事業の市場規模が縮小する中、新しい事業に進出するために、付加価値の高い新たなサービスを企画しました。
しかし、新サービス開発に必要な設備投資の資金を調達するために事業計画書が必要となったものの、どのように市場に進出し、成長を遂げるかについて明確な計画として可視化されていない状況でした。
そこで私は、まず経営者とともにビジョンと資金事業の事業内容を再確認した上で、それを具体的な数字に落とし込む作業を始めました。
最初のステップは、市場分析と競合調査でした。
私たちは、市場の動向や競合他社の状況を徹底的に調査し、自社製品が持つ独自の価値を明確にしました。そしてこの分析に基づき、売上予測やターゲット市場の設定を行い、具体的な財務計画を策定しました。
次に、潜在的なリスクを洗い出し、それぞれに対する対策を考えました。例えば、資金不足が懸念される場合には、追加の資金調達方法やコスト削減策を検討しました。
最後に、実行可能なアクションプランを作成しました。具体的なマーケティング戦略や販売チャネルの開拓計画など、ステップごとの行動計画を立てることで、全員が同じ目標に向かって進むことができました。
以上のプロセスを通じて、その企業は新サービスの開発に必要な資金を調達することができました。現在、このクライアントはその資金を活用して設備投資を完了し、新サービスのリリースを目指して最終段階に入っています。
次は、このプロセスについてよくある質問とその回答をご紹介します。アクションを決定します。もし仮説が正しければ、それに基づいた施策を実行します。もし間違っていれば、新たな仮説を立て直し、再度検証します。
Q&A
Q1: 事業計画書を作成する際に最も重要なポイントは何ですか?
A: 最も重要なのは、ビジョンと事業内容を可視化することです。可視化を行うことで、あいまいな部分やより詳細に調査・検討が必要な部分が明らかになり、事業の現実性と実行可能性を高めることができます。
また、市場分析や競合調査をしっかりと行い、自社の強みを明確にすることも重要となります。
Q2: 経営者の「想い」をどのようにして数字に変えることができますか?
A: 経営者の「想い」を数字に変えるためには、まずビジョンを明確にし、それを基に事業内容を具体化、つまり「誰に・何を・どのように」を明確にすることがポイントです。事業内容が明確になれば、売上予測やコスト分析などの具体的な財務計画を立てることも可能となります。
事業計画の作成が初めてという企業は、このプロセスでは専門家のサポートを受けることも有効です。
Q3: リスク管理はどのように行えば良いですか?
A: リスク管理は、事業計画を実行する上での潜在的なリスクを洗い出し、それぞれに対する対策を事前に考えておくことが基本です。例えば、資金不足が懸念される場合には、追加の資金調達方法やコスト削減策を検討します。
これらの質問と回答が、事業計画書作成の参考になれば幸いです。
次はこの記事のまとめに進みます。
まとめ
経営者が持つビジョンを「数字」として可視化することで、事業計画は説得力と実行力を備えたものになります。そのためには以下のステップが重要です。
- ビジョンを明確化し、具体的な事業内容を整理する。
- 市場分析や財務計画を通じて実現可能性を検証する。
- アクションプランを作成し、実行の道筋を示す。
私たち唐澤経営コンサルティング事務所では、「コーチング」と「コンサルティング」を組み合わせたアプローチで、経営者が自信を持って事業計画を策定・実行できるよう支援しています。
「数字に基づく経営で、あなたのビジョンを現実のものにしませんか?」
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